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大切なこと・伝えたいこと(診療を支える4つの要素)

診療を支える4つの要素

専門分化した診療の問題点

医療は、臓器別・疾患別に専門分化し進歩してきました。
専門分野の修練を積んだ医師が高度医療を支え、多くの医師が専門分野に特化した診療を行なっています。
マスコミなどは、特殊技術を習得した医師の活躍を盛んに取り上げ賞賛します。

しかし、専門分化した医療にも不都合があります。本来、診察の最初には、この患者さんに疾患はあるか、あるならそれは何かと広く問いかけねばなりません。
胃がんはないか、膠原病はないかといった専門分野や特殊技術が患者様を選別するような設問に、胃がんはありません、膠原病ではありません、当診療科が関わる問題はありませんと答えて済ますのでは、解決に至りません。
複数の疾病を有する場合には、右往左往しなければならず、優先順位を誤ることもあるでしょう。

専門分化した医療の利点を活かし不都合を補うには

専門分化した医療の利点を活かし不都合を補おうと意図するなら、医療を提供する側も受ける側も、以下の4つの要素を念頭に置いて行動しなければなりません。

General:専門分野に限らない総合的な診療
Special:専門分化した診療
Expert:より特化した分野で卓越した技能を発揮する診療
Community:各々の特徴・能力を活かした地域医療機関の連携診療
多くの医師は、Special/Expertを好み、General志向が希薄です。
自身でGeneralを実践しなくても、自身にGeneralの臨床能力が乏しくても、これを念頭に診療にあたれば、患者様の満足度は向上することでしょう。
医療に何かを求めて目前にいる方に対し、医療サービスの窓口である医師の姿勢が、広い意味でのGeneralです。

そして、医療を受ける側も、実はSpecial/Expert 志向が強く、そのために不都合を招く場合があります。
Special/Expertは、特化した技術が患者様を選別し、当てはまらなければそれで対応は途切れます。
自身が抱える健康問題が特定されるまでは、Generalに力点を置いた診療が相応しいのだと思います。

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